
こんにちは!
中国輸入代行-誠(Makoto)のパンダ社長こと酒井隆太(@makoto1688)です^^

今回は、こうしたお悩みに、できるだけやさしくお答えしていきますね。
▼輸入許可通知書に関するPost▼
輸入許可通知書は捨てずに取っておいた方がよいですよ。なぜなら、関税の他に、「消費税」と「地方消費税」が明記されているからです。起業1~2年目は「消費税」の免税措置があるので、当該納付分が還付されます。ちなみに、捨てても再発行できます。日本の通関業者へご依頼ください。
— パンダ社長(酒井隆太)@中国輸入代行-誠🇨🇳🇯🇵🇺🇸🇰🇷 (@makoto1688) January 19, 2022
この記事は、長年、中国輸入代行の現場に立ち続けてきたパンダ社長が書いています。

この記事を読み終えるころには、次の3つがスッキリわかるようになりますよ。
- 輸入許可通知書のどこに何が書いてあるか(サンプル図解つき)
- 「区分」の数字や英字が何を意味しているか
- 関税・消費税・地方消費税の金額はどこを見ればよいか
それでは、さっそく見ていきましょう!
輸入許可通知書とは|税関が輸入許可を証明する書類

輸入許可通知書とは、海外から仕入れた商品が日本の税関の審査を通過し、正式に「輸入してもよい」と許可されたことを、国(税関)が証明してくれる公的な書類です。
輸入申告の内容に加えて、商品にかかった関税や消費税といった納税額が一枚に細かくまとめられているため、経理処理や消費税の還付手続きでは欠かせない存在になります。
まずは、この書類の呼び方と、いつ誰から届くのか、そして使いどころの3つを、ざっくりと押さえておきましょう。
詳しく見ていきましょう。
輸入許可書・輸入許可証・I/D(英語名)との違い(呼び方が違うだけで同じ書類)
結論からお伝えすると、「輸入許可通知書」も「輸入許可書」も「輸入許可証」も、実務の上ではすべて同じ書類を指しています。
少し前までは、紙の書類に税関のハンコが押されて手渡されていたため、「輸入許可書」や「輸入許可証」と呼ばれていました。
現在はNACCS(ナックス)というシステムで電子的に処理されるようになり、正式名称が「輸入許可通知書」になったという経緯があります。
ちなみに、「輸入許諾書」と検索される方もいらっしゃいますが、そのような名前の書類は存在しませんので、お探しの書類はこの輸入許可通知書だと考えていただいて大丈夫ですよ。
英語では、貿易の現場で「I/D(Import Declaration=輸入申告)」と呼ばれるのが一般的で、通関業者との会話では「アイディー」と略されることも多いです。
書類の性質を英語で説明するなら「Import Permit」や「Import Permit Notice」といった言い方も使われますが、海外の仕入れ先や物流会社とやり取りするときは、「I/D」と伝えればまず通じますよ。
呼び名はいろいろありますが、「税関が"輸入してOK"と認めた証明書」であるという中身は、まったく同じです。
ですので、名称の違いはあまり気にせず、どれも経理上の大切な書類として、同じように扱っていただいて大丈夫ですよ。

輸入許可通知書はいつ・誰から届く?(通関完了後に通関業者から)
輸入許可通知書は、税関から輸入者へ直接送られてくるものではなく、輸入申告を代行してくれた通関業者から受け取るのが一般的です。
というのも、輸入申告はNACCS上でおこなわれ、税関の許可が下りると、申告をした通関業者のもとに通知書のデータが届く仕組みになっているからです。
届くまでの流れを、かんたんに整理しておきますね。
- ① 輸入申告:通関業者がインボイスなどをもとに税関へ申告します
- ② 審査・検査:税関が書類審査をおこない、必要に応じて貨物検査をします
- ③ 納税:関税・消費税・地方消費税を納めます(通関業者が立て替えることも多いです)
- ④ 輸入許可:税関から許可が下り、輸入許可通知書が発行されます
- ⑤ 輸入者へ到着:通関業者から輸入者の手元へ届きます
手元への届き方は、通関費用の請求書と一緒にPDFでメールされるか、貨物のダンボールに貼り付けられて届くか、このどちらかがほとんどです。
通常は、輸入許可が下りてから数日のうちに届きますので、荷物が届いて1週間ほど経っても通知書が見当たらないときは、通関業者へ一声かけてみてくださいね。

輸入許可通知書が必要になる場面(経理処理・仕入税額控除・税関の事後調査)
「輸入が終わったのだから、もう用済みでは?」と思われるかもしれませんが、輸入許可通知書は、輸入が終わったあとにこそ出番がやってきます。
主に必要になるのは、次の3つの場面です。
- 経理処理:関税は仕入原価に、消費税・地方消費税は「仮払消費税」として帳簿に計上するときの根拠書類になります
- 消費税の仕入税額控除(還付):輸入時に納めた消費税を控除・還付してもらうには、輸入許可通知書の保存が要件になります
- 税関の事後調査:申告内容が正しかったかを税関があとから確認する際に、提示を求められます
このほか、金融機関の融資や補助金の申請で、「輸入実績」を証明する資料として提出を求められることもあります。
つまり、輸入許可通知書は「輸入が終わったら見る書類」ではなく、「輸入が終わってから何度も使う書類」なんです。
この後に解説する「見方」も、この3つの場面を意識して読んでいただくと、どの項目がご自身にとって大切なのかがはっきりしますよ。

【サンプル図解】輸入許可通知書の見方|記載項目を項目別に解説

ここからは、いよいよ本題である「輸入許可通知書の見方」を、上のサンプル(図解)を見ながら確認していきましょう。
輸入許可通知書は、上から下へ「①基本情報 → ②申告種別・区分 → ③当事者情報 → ④輸送・貨物情報 → ⑤インボイス情報 → ⑥貨物明細 → ⑦税額 → ⑧税関通知欄」という8つのブロックで構成されています。
まずは、各ブロックに何が書かれていて、手元のどの書類と見比べればよいのかを、一覧表でざっくり掴んでみましょう。
| 記載ブロック(場所) | 書かれている内容 | 照合する書類 |
|---|---|---|
| ①基本情報(右上・上部) | 申告番号・申告年月日・あて先税関・代表税番など、輸入を特定する情報 | 通関業者からの連絡・請求書 |
| ②申告種別・区分(上部) | 輸入の種類(ICなど)と、税関審査のレベル(区分1〜3) | ― |
| ③当事者情報(上段) | 輸入者・仕出人(輸出者)・代理人(通関業者)と通関士コード | インボイス |
| ④輸送・貨物情報(中段) | B/L番号・船卸港・積出港・蔵置税関・保税地域・記号番号など | B/L・AWB |
| ⑤インボイス情報(中段) | 仕入書番号・仕入書価格(インコタームズ・通貨単位) | インボイス |
| ⑥貨物明細(下半分) | 品名・HSコード・数量・課税価格・品目ごとの関税率 | インボイス・パッキングリスト |
| ⑦税額(下部) | 関税・消費税・地方消費税の金額と納税額合計・通貨レート | 通関費用の請求書 |
| ⑧税関通知欄(最下段) | 輸入許可の文言と、輸入許可年月日・許可した税関官署名 | ― |
この8ブロックの並びを頭に入れておくだけで、書類のどこに何が書いてあるのか、ぐっと探しやすくなりますよ。
書類にはたくさんの項目がびっしりと並んでいるので、最初は少し圧倒されてしまうかもしれません。
ですが、どうかご安心ください。
ここからは、8ブロックの順番どおりに、ひとつずつやさしく解説していきますね。

詳しく見ていきましょう。
①申告番号・申告年月日・あて先税関・代表税番
まず、書類の右上や上のほうには、その輸入を特定するための「基本情報」がまとめられています。
なかでも一番右上にある「申告番号(輸入許可番号)」は、経理処理のときに"どの仕入れの経費なのか"を紐づけるための、とても大切な番号です。
通関業者へ問い合わせるときや、過去の輸入を調べたいときも、この申告番号を伝えれば話がスムーズに進みますよ。
「申告年月日」は輸入申告をおこなった日付、「あて先税関」は申告先の税関官署を表しています。
また、「代表税番」には、申告した品目を代表するHSコード(関税率を決めるための世界共通の品目番号)が記載されます。
まずはこのブロックで、「いつ・どこの税関に・どの番号で」申告された輸入なのかを確認できる、と覚えておけばOKですよ。
②申告種別(IC・IS・BP)と区分
基本情報の並びには、「申告種別」と「区分」という、アルファベットや数字のコードが表示されています。
申告種別は輸入の種類を表す記号で、もっともよく目にするのは「IC(直輸入)」です。
一般的な中国輸入のほとんどは、このICに該当します。
そのほかに「IS(蔵入れ)」「BP(許可前引取)」などの記号もありますが、これらは保税倉庫を活用するなど、特殊なケースで使われるものです。
通常の仕入れであれば「IC」と表示されていれば問題ありませんので、見慣れない記号が出たときだけ、通関業者へ確認すれば十分ですよ。
そして、その隣にある「区分」は、税関でどのレベルの審査がおこなわれたかを示す、とても重要なコードです。
区分については、後ほど専用の章でじっくり解説しますね。
③輸入者・仕出人・代理人(通関業者)・通関士コード
書類の上段には、この輸入取引の「登場人物」がまとめられています。
まず「輸入者」の欄に、あなたご自身のお名前や会社名・住所が正しく記載されているかを確認してみましょう。
そして「仕出人(輸出者)」の欄には、仕入れ先である中国の代行業者や工場の情報が入ります。
さらに、通関業者へ輸入申告を依頼した場合は、「代理人」の欄に通関業者の名称と、書類審査を担当した通関士の「通関士コード」が記載されます。
ここの情報が間違っていると、税務調査の際に「これは自分の仕入れです」と証明しづらくなってしまうので、念のため目を通しておくと安心ですよ。
とくに「輸入者」の名義は、消費税の還付に直結する大切なポイントなので、後ほど改めて解説しますね。

④B/L番号・船卸港・積出港・蔵置税関・保税地域・記号番号
書類の中段には、貨物が「どのように運ばれて、いまどこにあるのか」という輸送・保管の情報がまとめられています。
代表的な項目の意味は、次のとおりです。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| B/L番号(AWB番号) | 貨物が積まれていた船荷証券(B/L)の番号。航空便では航空運送状(AWB)の番号 |
| 船卸港/積出港 | 貨物を降ろした日本の港/出発した海外の港(国と港を表すコードで表示) |
| 積載船機名 | 輸送に使われた船(または航空機)の名前 |
| 入港年月日 | 船や飛行機が日本に到着した日付(ETA) |
| 蔵置税関/保税地域 | 貨物が保管されている保税倉庫の場所(コード)と、そこを管轄する税関 |
| 貨物個数/貨物重量 | 申告した貨物全体の総数量と総重量(荷姿によって単位が変わります) |
| 記号番号 | ダンボールなど外装に書かれた荷印(シッピングマーク)の内容 |
たとえば船卸港が東京なら「JPTYO」、積出港が上海なら「CNSHA」のように、国名2桁+港名3桁のコードで表示されます。
なお、この近くには「輸入承認証等」という欄もありますが、これは経済産業大臣の承認が必要な特殊な貨物のための欄ですので、一般的な中国輸入では空欄のままで問題ありませんよ。
普段の経理でこのブロックを細かく読む必要はありませんが、「輸送トラブルがあったとき」や「どの便で届いた荷物か特定したいとき」に役立つ情報だと覚えておくと便利ですよ。
⑤仕入書番号・仕入書価格(インコタームズ・通貨)
続いて、輸入申告のときに提出したインボイス(仕入書)に関する情報の欄です。
「仕入書番号」には、仕入れ先が発行したインボイスの番号がそのまま記載されます。
「仕入書価格」には、インボイスに記載された商品の価格が、貿易取引条件(FOB・CIFなどのインコタームズ)や通貨単位とセットで表示されます。
インボイスは、税関が関税や消費税を計算するための"元データ"になる書類です。
手元のインボイスと輸入許可通知書の内容が一致しているかを確認し、2つをホチキスで留めるなどして、セットで保管しておくのがおすすめですよ。
⑥貨物明細(品名・HSコード・数量・課税価格・関税率)
書類の下半分には、輸入した商品の具体的な明細が、品目ごとに記載されています。
「品名」や「数量(重量・個数)」が、実際に発注したインボイスの内容ときちんと一致しているか、見比べてみてください。
そして「税表番号(HSコード)」という項目は、その商品が"どの関税率に分類されたか"を示す、世界共通の番号です。
日本の場合は9桁のコードが使われており、このHSコードによって関税率は大きく変わります。
品目ごとの「課税価格(申告価格)」と「関税率」も、この明細の中に表示されていますよ。
「思っていたより関税が高いな」と感じたときに、分類が適切かどうかを確かめる手がかりにもなります。
なお、HSコードの異なる商品が3品目以上あると、明細は2枚目以降に続きますので、枚数の見方もあわせてご確認くださいね。
⑦関税・消費税・地方消費税の税額欄と通貨レート
書類の下のほうにある「税額欄」は、輸入ビジネスの経理において、もっとも大切な部分といっても過言ではありません。
ここには「関税」「消費税」「地方消費税」のそれぞれの金額と、その合計である「納税額合計」が、はっきりと明記されています。
関税は商品の仕入れ原価(経費)として計上し、消費税と地方消費税は、消費税の申告時に「仮払消費税」として控除の対象になります。
また、外貨を円に換算するときに使われた「通貨レート」も、この周辺に記載されていますよ。
その近くにある「口座」欄には、納付方法(銀行振込・リアルタイム口座振替など)を表す記号や英字が入ります。
ただ、通関業者が税金を立て替えて納めている場合は、業者側の納付方法が表示されているだけですので、輸入者側で気にする必要はありません。
この金額が分からないと、正しい利益計算も、消費税の還付手続きもできなくなってしまいます。
届いた通知書の税額は、後回しにせず、必ず会計ソフトへ正確に入力しておきましょう。

⑧税関通知欄(輸入許可年月日・許可税関)
書類のいちばん下には、「税関通知欄」と呼ばれるスペースが設けられています。
ここには、税関がこの貨物の輸入を許可した旨の文言と、「輸入許可年月日」、そして許可を出した税関官署名が記載されています。
輸入者として最後に確認すべきなのは、この欄に許可の記載がきちんとあることです。
また、後ほど解説する7年間の保存義務は"輸入許可の日の翌日"からスタートしますので、保存期間を数えるときの基準日も、この欄で確認できますよ。
輸入許可通知書の区分(1・2・3)と検査記号の見方

書類の上部にある「区分」というコードを見ると、税関でどのような審査がおこなわれたのかが分かります。
輸入申告はNACCSというシステムを通じておこなわれ、申告内容や過去の輸入実績に応じて、「区分1」「区分2」「区分3」のいずれかに自動で振り分けられる仕組みです。
区分の数字の後ろにアルファベットが付いていることもあり、その記号にもそれぞれ意味がありますので、あわせて読めるようになっておきましょう。
詳しく見ていきましょう。
区分1(簡易審査)
区分1は、税関の審査が省略される「簡易審査」の扱いです。
過去の輸入実績が豊富で、申告内容に問題がないと判断された場合に振り分けられます。
貨物が保税地域へ搬入されたことが確認されると、書類審査や検査を経ずに、そのまま輸入許可となります。
区分1で通関できたということは、スムーズな輸入ができた証拠と考えて大丈夫ですよ。
区分2(書類審査)
区分2は、税関職員によるインボイスなどの「書類審査」がおこなわれる扱いです。
品名とHSコードの関係、課税価格、原産地などが書類上で確認され、問題がなければそのまま輸入許可となります。
ただし、申告内容に不備や不審な点が見つかった場合は、税関職員の判断で区分3へ切り上げられ、現物検査がおこなわれることもあります。

区分3(検査扱い)|3X・3R・3K・3Mなどの意味【一覧表】
区分3は、書類審査に加えて、実際の貨物を確認する「税関検査」がおこなわれる扱いです。
どのような検査がおこなわれたかは、数字の「3」の後ろに付くアルファベットで表されます。
たとえば「3X」なら、大型X線による検査がおこなわれた、という意味になります。
区分3になったからといって、申告内容に誤りがあると決まったわけではありませんので、ご安心くださいね。
| 区分コード | 説明 |
|---|---|
| 1 | 簡易審査。過去の輸入実績が豊富で問題がない場合、自動で即時許可になります。 |
| 2 | 書類審査。税関による書類チェックがおこなわれます。状況により区分3へ回ることもあります。 |
| 3X | 大型X線検査がおこなわれたことを示します。 |
| 3R | 貨物の保管場所まで税関職員が出向き、現物を開封して確認します(時間がかかります)。 |
| 3K | 税関の専用検査場で現物を開封して確認します。 |
| 3M | 見本(サンプル)の確認がおこなわれます。 |
また、頻度は高くありませんが、次のような記号が表示されることもあります。
あわせて一覧で押さえておくと、見慣れない記号が出てきても慌てずに済みますよ。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| 3H | 本船検査。船に貨物を積んだまま検査がおこなわれます。 |
| 3V | ふ中検査。はしけ(艀)に積んだ状態で検査がおこなわれます。 |
| 3J | 事前検査。申告に先立って貨物の検査がおこなわれたことを示します。 |
| Z | 事故貨物であることを示します。 |
| S | 差止め貨物であることを示します。 |

区分欄末尾の英字T・G・M・Y・L(2026年8月から表示される識別コード)
区分の数字の後ろには、検査記号とは別に、「通関関係書類をどう提出するか」を示す英字が付くことがあります。
2026年8月1日から、この識別コードの表示ルールが整理され、区分欄の末尾に「T・G・M・Y・L」のいずれかが表示されるようになりました。
それぞれの意味は、次のとおりです。
| 記号 | 説明 |
|---|---|
| T | 審査時に、原本(書面)の提出・提示が必要な書類が含まれていることを示します。 |
| G | 許可後に、原本(書面)の提出・提示が必要な書類が含まれていることを示します。 |
| M | 審査時と許可後の両方で、原本の提出等が必要な書類が含まれていることを示します。 |
| Y | 区分1で、電子的に提出できる通関関係書類の提出が必要なことを示します。 |
| L | 区分1で、運送先一覧表のみ提出が必要なことを示します。 |
なお、これとは別に「運送場所識別」という項目があり、同じ英字でも区分欄とは意味が異なる場合があります。
どの欄に書かれている記号なのかを確認したうえで判断すると、迷わずに済みますよ。
通関業者へ依頼している場合、この英字への対応は基本的に業者側がおこなってくれますので、見慣れない英字が付いていたら、まずは通関業者へ一言確認しておけば安心です。
関税・消費税・地方消費税の確認箇所

税額欄を見て、「この関税や消費税の金額って、どうやって決まったの?」と疑問に思う方は、とても多いです。
実は、輸入許可通知書に書かれた税額は、「課税価格 → 関税 → 消費税 → 地方消費税」の順に、決められた計算式で機械的に算出されています。
この流れが分かると、税額欄の数字がなぜその金額なのかがスッと読めるようになりますので、ここで一緒に確認しておきましょう。
詳しく見ていきましょう。
課税価格(CIF価格)と通貨レートの見方
すべての税額計算のベースになるのが、貨物明細に記載されている「課税価格(申告価格・CIF価格)」です。
CIF価格とは、「商品代金+日本までの運賃+保険料」を合計した金額のことを指します。
そのため、インボイスの取引条件がFOB(商品代金のみ)の場合は、運賃や保険料が加算されて課税価格が決まります。
インボイスが外貨建ての場合は、税関が定める通貨レートで日本円に換算され、その換算レートも税額欄の近くに記載されます。
このレートは、カード会社のレートや自社で送金した日の銀行レートとは異なるため、手元の計算と少しズレるのが普通ですよ。
「消費税は商品代金の10%」ではなく、運賃や保険料まで含めたCIF価格が課税のベースになる、という点がいちばんのポイントです。

関税・消費税・地方消費税の計算式(税額欄の数字の根拠)
CIF価格が決まったら、次の順番で各税額が計算されていきます。
- ① 関税=課税価格(CIF価格)× 関税率
- ② 消費税=(課税価格+関税額)× 7.8%
- ③ 地方消費税=消費税額 × 22/78
消費税は国税分(7.8%)と地方分(2.2%相当)に分かれて記載されているため、合計するとおなじみの「10%」になる、という仕組みです。
ここで押さえておきたいのは、消費税のベースが「商品代金」ではなく「CIF価格+関税」だという点です。
また、計算の途中では課税価格の1,000円未満と税額の100円未満を切り捨てるルールがあるため、電卓で単純に10%を掛けた金額とは、少しだけズレるのが正常です。
なお、関税が0円(無税)の商品でも、消費税と地方消費税は課税されますので、「関税がないから税金もない」と思い込まないよう気をつけてくださいね。

想定した税額と違うときの確認ポイント
「思っていたより関税が高い」「消費税の金額が合わない」と感じたときは、税率だけでなく、計算の前提から順番に確認してみましょう。
主な確認ポイントは、次のとおりです。
- HSコード(税表番号)が想定していた分類になっているか
- 適用されている関税率が正しいか(EPAなどの特恵税率が使えるのに適用されていないことも)
- インボイス価格と課税価格に差がある場合、運賃や保険料が加算されていないか
- 使用されている通貨レートが、自社の想定と違っていないか
- 数量や重量に誤りがないか
とくに、海外の仕入れ先との取引価格だけをもとに税額を予測していると、課税価格に加算される運賃や保険料のぶんだけ、実際の納税額と差が出ることがよくあります。
確認しても分からない場合は、まず輸入申告を依頼した通関業者へ問い合わせてみてくださいね。
それでも納得のいく説明が得られない場合や、関税分類そのものを確かめたい場合は、税関の相談窓口や「事前教示制度」を利用する方法もありますよ。

輸入許可通知書を受け取ったら確認すること

輸入許可通知書を受け取ったら、そのまま保管するだけではなく、申告内容が実際の取引と一致しているかを一度チェックしておくことが大切です。
内容に誤りがあると、経理処理や消費税の仕入税額控除に影響することがあるからです。
ここでは、受け取った後に見ておきたい3つのポイントを紹介しますね。
詳しく見ていきましょう。
インボイス・パッキングリスト・B/Lと照合する項目
輸入許可通知書を受け取ったら、手元のインボイス(仕入書)やパッキングリスト、B/L・AWBと、次の項目を突き合わせてみましょう。
- インボイスと照合:輸入者名・仕出人名・品名・インボイス番号・仕入書価格・通貨
- パッキングリストと照合:数量・重量
- B/L・AWBと照合:B/L番号(AWB番号)・船名や便名・積出港
数量や重量は、関税分類や従量税の計算に影響することもありますので、違いがあれば早めに通関業者へ確認してくださいね。
照合が終わったら、インボイスと輸入許可通知書をホチキスで留めるなどして、1セットで保管しておくと後がラクですよ。

輸入者名義を確認する(仕入税額控除は申告名義人のみ)
課税事業者の方が事業のために商品を輸入した場合、納付した輸入消費税は、一定の要件を満たせば仕入税額控除の対象になります。
このとき大切なのが、「輸入者」の欄が誰の名義になっているか、という点です。
仕入税額控除を受けられるのは、原則として保税地域から貨物を引き取った"輸入申告者本人"だけだからです。
自社で輸入したつもりでも、輸入代行会社など別の名義で申告されていると、自社では控除を受けられない可能性があります。
還付を考えている方は、必ずご自身(自社)の名義になっているかを確認しておきましょう。

商品が複数あるときの枚数・欄数の見方
輸入許可通知書には、"1枚に記載できる品目数(欄数)"の上限が決まっています。
具体的には、1枚目には2品目まで、2枚目以降は1枚につき4品目まで記載できる仕組みです。
たとえばHSコードの異なる商品を3種類輸入した場合、1枚目(2品目)に収まらず、残りの1品目が2枚目に続きます。
枚数が複数になっても、どれも同じ"一回の輸入"に対する正式な通知書ですので、すべてまとめて保管しておきましょう。

輸入許可通知書の保存義務(7年間)
輸入許可通知書は、確認が終わったら"必ず保管"する書類です。
法律で保存期間が決められているうえ、消費税の還付申告や税関の事後調査でも提示を求められることがあるからです。
根拠になるのは、帳簿の備え付けと書類の保存を定めた「関税法第94条」と、その期間を定めた「関税法施行令第83条」です。
関税法上の保存期間は、帳簿が「輸入許可の日の翌日から7年間」、インボイスなどの関係書類が「5年間」とされています。
輸入許可通知書は、帳簿に書くべき内容(品名・数量・価格・仕出人・許可日・許可番号)がすべて記載されているため帳簿の代わりにもなる書類で、さらに消費税の仕入税額控除を受けるための証憑としても7年間の保存が求められます。
ですので、実務上は「輸入許可通知書は7年間保管」と覚えておけば間違いありません。
起算日となる「輸入許可の日」は、税関通知欄に記載されていますよ。
また、インボイス制度のもとでは、海外の輸出者は適格請求書を発行できないため、税関長が発行する輸入許可通知書が適格請求書と同等の書類として扱われます。
つまり、この書類がないと消費税の仕入税額控除(還付)を受けられなくなるおそれがあるため、「確定申告が終わったから、もう要らないかな」と処分するのだけは、絶対にやめておきましょう。
なお、電子帳簿保存法の要件を満たしていれば、紙に印刷せず、PDFなどの電子データのまま保存して問題ありません。
万が一なくしてしまった場合の入手方法は、よくある質問にまとめていますので、あわせてご確認くださいね。

輸入許可通知書の見方に関するよくある質問(Q&A)
最後に、輸入許可通知書について、中国輸入の初心者の方からよくいただく質問をまとめました。
気になる点は、ここでまとめて解消しておきましょう。
詳しく見ていきましょう。
輸出許可通知書とは何が違いますか?
輸出許可通知書は、日本から海外へ貨物を送るときの「輸出申告」に対して、税関が輸出を許可したことを通知する書類です。
輸入許可通知書との大きな違いは、輸出では納税がないため「税額の記載がないこと」と、保存期間が「原則5年間(輸入は7年間)」であることの2点です。
輸出入の両方に取り組む方は、書類の取り違えと保存期間の違いにだけ、気をつけておいてくださいね。
輸入許可通知書を紛失した・手元にないときは再発行できますか?
はい、紛失した場合も、そもそも手元に届いていない場合も、通関業者へ依頼すれば写しを再出力してもらえますので、どうか焦らないでください。
その荷物の通関を担当した通関業者(DHL・FedEx・UPS・ヤマト運輸・佐川急便・OCSなど)へ、追跡番号(AWB番号)を伝えて「輸入許可通知書をPDFで送ってほしい」とお願いしてみてください。
NACCSの利用登録をしている方であれば、過去の通関履歴から、ご自身で何度でもダウンロードできますよ。
ただし、NACCS上のデータ保存期間を過ぎた古い履歴は取り出せなくなることがあるため、紛失に気づいたら早めに動いておきましょう。
EMSや国際郵便で届いた荷物にも輸入許可通知書は発行されますか?
EMSや小形包装物などの国際郵便で届いた荷物は、課税価格が20万円以下であれば、原則として輸入許可通知書は発行されません。
国際郵便は一般の商業貨物と扱いが異なり、税関が税額を計算して通知する「賦課課税方式」がとられるためです。
代わりに、関税や消費税がかかった場合は「国際郵便物課税通知書」が荷物と一緒に届きますので、配達時に税金を支払った「受領証」とセットで、経費の証明として保管しておきましょう。
なお、課税価格が20万円を超える郵便物は通常の輸入申告が必要になるため、この場合は輸入許可通知書が発行されますよ。
まとめ:輸入許可通知書の見方は「申告番号・区分・税額欄」の3点を押さえよう
- 輸入許可通知書は、税関が輸入を許可したことを証明する公的書類で、「輸入許可書」「輸入許可証」「I/D」も呼び方が違うだけの同じ書類です。
- 税関から直接ではなく、輸入許可後に通関業者から、請求書と一緒に、または貨物に貼付されて届きます。
- 輸入後の経理処理・消費税の仕入税額控除・税関の事後調査で必要になる、「輸入が終わってから何度も使う書類」です。
- 書類は「基本情報→申告種別・区分→当事者→輸送・貨物→インボイス→貨物明細→税額→税関通知欄」の8ブロックで構成されています。
- 見るときは、右上の「申告番号」、上部の「区分コード」、下部の「関税・消費税・地方消費税額」の3点を必ずチェックしましょう。
- 区分は1(簡易審査)・2(書類審査)・3(検査扱い)の3種類で、3Xなどの検査記号と、2026年8月からのT・G・M・Y・Lの識別コードから審査内容が分かります。
- 税額は「CIF価格→関税→消費税→地方消費税」の順に計算され、消費税のベースは商品代金ではなく「CIF価格+関税」です。
- 受け取ったら、インボイス・パッキングリスト・B/Lと照合し、輸入者名義が自分(自社)になっているかを確認しましょう。
- 保存義務は輸入許可日の翌日から7年間で、紛失しても通関業者への依頼やNACCSから写しを入手できます。


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